救急科ブログ
手稲渓仁会病院 救急科(救命救急センター)

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2016年06月26日

抄読会

石田です。


当科では、シフト制の勤務のため、スタッフ全員が揃う機会はほとんどありません。その全員が一堂に会する稀な日が、月に1回開催される、抄読会・スタッフミーティングです。

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救急科ローテーション中の研修医も参加し、なかなか盛況です。


抄読会では、担当者2人が「最近読んで気になった論文」を発表します。

今回の担当者は羽岡先生と大西先生でした。


羽岡先生はVojnosanitetski Pregledに掲載された、セルビア(!!)の論文を持ってきました。

えと・・・セルビアって?どこだっけ??

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セルビアは地図でピンクの場所です。南東ヨーロッパに位置し、もとはユーゴスラビアに属していた国です。

論文のタイトルは「高齢者におけるベンゾジアゼピン中毒の影響」で、精神科専門医である羽岡先生らしいチョイスであったと思います。内容としては、同じ容量のベンゾジアゼピン系薬剤の内服であっても、高齢者では意識レベル低下が顕著に出やすく、合併症の発生率も高くなるというものでした。

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そらそうだよな〜。的な感想を抱く論文でした。

合併症(誤嚥性肺炎など)を予防するために、「フルマゼニルの頻回投与や持続静注を行った」という記載があり、そこは面白いと感じました。世界の色んな国で医学研究はされているのですね。


大西先生は、今年のJAMAに掲載された「小児の胃腸炎に対する、経口補水液vsリンゴジュースの治療成績について」でした。アメリカはトロントの研究で、外来を受診した胃腸炎の小児に対し、経口補水液とリンゴジュース、どちらかで外来フォロー。点滴の必要なく、無事に治療完遂できる率が高いのはどちらかというものでした。研究者としては、「リンゴジュースでも、経口補水液に比べて、そんなに悪くないんじゃないかな〜?」といった考えで、非劣性試験を組んでいますが、結果としては「リンゴジュースの方が経口補水液よりも治療の失敗が少ない」という衝撃的なものでした。乳幼児に対しては、摂取した水分の組成よりも、飲んでくれるかどうかの「美味しさ」が大事なのかもしれません。

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日本で発売されている経口補水液の代表格である、OS-1も、今年になって少しパッケージと風味が変わったそうですよ。一度試してみては?

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左の角ボトルが旧型。右の丸ボトルが新型です。


当科での研修を検討されている方へ

実際に経験し、得たものは他に代えが利きません。様々な症例に遭遇する、日々の勤務は非常に重要です。しかし、日進月歩の医学の世界。置いて行かれないためには、勉強も欠かせません。勤務だけに翻弄されることなく、自由な時間がとれることが大切だと考えています。当科では頭も体もバランスよくレベルアップ出来る、非情に良い環境だと思いますよ。興味ある方は、是非。


posted by 渓仁会救急科 at 10:55 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする