救急科ブログ
手稲渓仁会病院 救急科(救命救急センター)

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2015年02月18日

「激しい頭痛」で救急隊がドクターヘリ要請〜くも膜下出血でした

 外傷の場合は受傷機転からドクターヘリ要請の判断はし易いですが、内因性では重篤疾患でも、頭痛や胸痛、背部痛など一般的な症状を呈することから早い要請の判断は容易ではありません。

 道央ドクターヘリでは、まだ症例は少ないですが、救急隊から直接要請された「くも膜下出血」「急性心筋梗塞」「急性大動脈解離」が時々あります。
 救急車で搬送された患者では、例えば「頭痛」で搬送されてきても、いわゆる「くも膜下出血などの脳卒中」であることは、ほんの一部です。

 今日は症状は典型的な事もあり、「高倉健の映画」「黄色いハンカチ」「メロン熊」で有名な町から要請が有りました。

 突然の強い頭痛で、台所で倒れた事案の要請が有りました。血圧はさほど上昇はしていなかったようですが、くも膜下出血の判断でドクターヘリが要請されました。
SAH.gif
この写真はくも膜下出血ですが、本文中の患者さんとは別のCTです。

 現地で合流したフライトドクターも、くも膜下出血の可能性が高いということで、しっかり鎮静・血圧コントロールされてきました。脳卒中では典型的な症状では比較的判断は容易ですが、それでもなかなかドクターヘリ要請に結びつかないことも多いのが現状です。

 内因性疾患でもドクターヘリが必要な疾患は少なくありません。救急隊の観察能力が試される疾患です。今回は救急隊の適切な判断が功を奏した事案でした。
posted by 渓仁会救急科 at 20:17 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月16日

北海道4機目のドクターヘリ運航開始

 今日2月16日は道南ドクターヘリの就航式でした。日本で44番目のドクターヘリで、基地病院は函館市立病院。ほぼ栃木県と同じ面積で人口は約45万人のエリアを運航圏としています。函館空港にヘリを駐機して、スタッフが待機するいわゆる発進基地方式です。

 エアラインが多く発着する空港だけにその影響は少し心配ですが、ただ、ドクターヘリ導入によって道南地区でもその有効性を十分発揮してくれるものと期待しています。
函館ドクヘリ.jpg
 就航式ではフライトスタッフも紹介されましたが、ドクターもナースも若く、当院とは対照的でしたふらふら

 就航式では盛んにこれで道内にドクターヘリの空白が解消されたといっていました。記事でも「空白地域解消」との見出しが躍っています。
 しかし、救急の現場での認識は逆で、空白はまだ解消されていないというのが正直なところです。記事で「空白解消」と出ていしまうと、市民はそうなのかと思ってしまいます。
 ドクターヘリは道内にはまだ必要です。それに向けた動きが途切れないようにすることが重要です。

posted by 渓仁会救急科 at 22:45 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月06日

「降る降る詐欺」〜日本は本当に平和な国

 今東京にいます。2月5日から6日にかけて東京は大雪警報が発令され、交通障害などが広範囲に発生する可能性があるとの天気予報が出されたので、昨年の事もあり不安な中での札幌出発でした。

 昨年は都内も大吹雪になり大変な事態になりましたが(私も巻き込まれ)、次の文章はその時の記事です。

「14日午後11時の積雪は、東京都心は13センチ、千葉市は13センチ、熊谷市は32センチ。横浜市は22センチと、1998年以来16年ぶりに積雪が20センチを超えた。記録的な大雪となっている甲府は積雪76センチ。関東甲信は15日の明け方にかけて大雪に警戒が必要だ」
東京吹雪.JPGJR水道橋駅付近(昨年2月)
 写真は昨年2月に丁度、東京で会議があり、大雪に見舞われた時のものです。東京は大きな交通障害となりました。

 今回結局、5日に雪は降りましたが、予想より少なく、交通障害はなく、6日朝はいい天気でした。
 天気予報は外れましたが、生活には支障が出なかったために安堵しました(多くの人は)。

 しかし、ネット上では気象庁の天気予報が外れて、逆に被害を被ったとの書き込みが増えました。要するに、雪の被害を想定して様々な準備(費用をかけて)したのが無駄になったと・・・。これが「降る降る詐欺」のようです。

 地震予知や天気予報も今後、精度を上げることは必要と思いますが、やはり限界はあるでしょう。被害にあった時の大変さや苦労はすぐ忘れてしまいます。「喉元過ぎれば熱さ忘れる」では災害対策としてはダメです。

 日本人人質殺害事件に対するマスコミ、一部の政治家や評論家の論調を見ていると、世界の変化も考えず、平和や日常的平穏は黙っていれば得られるとでも思っているのと同じで、災害対策もコストや意識を変えないと同じことの繰り返しです。寺田寅彦の警告を思い出す必要があります。




posted by 渓仁会救急科 at 23:28 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする