救急科ブログ
手稲渓仁会病院 救急科(救命救急センター)

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2015年01月26日

救急受け入れ小児科だけに(岩内協会病院)

 読売新聞の医療サイト yomiDr. から

「4町村(岩内、共和、神恵内、泊)の救急患者を受け入れる公的基幹病院である「北海道社会事業協会岩内病院」(岩内協会病院)は、小児科を除く救急患者の受け入れを25日午後5時以降、休止することを決めた。

 中略

 同院の医師は昨年10月まで常勤5人、非常勤1人の6人体制だったが、11月末までに3人が退職。昨年4月からの3年契約で着任した外科医の西原和郎院長(60)も、今年2月で退職することになった。この結果、同院の医師は整形外科医と小児科医の2人になり、急患の受け入れを縮小する」


 岩内協会病院.jpg

 岩内協会病院ホームページから


 昨日開催された北海道医師会救急医療対策部全体会議でも地元医師会から岩内協会病院の救急受け入れ停止問題の報告がありました。その時の話では整形外科医も退職し、小児科医のみになるようです。


 極めて危機的な状況です。以前も同様な事態がありましたが、一年ほど前から日中に限り救急の受け入れを再開していましたが、今回は、最大の危機といえます。


 これは一病院の問題ではなく、運営母体だけでの対応は困難であり、行政も含めた緊急の対策が求められると思います。



posted by 渓仁会救急科 at 00:02 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月25日

医療におけるテロとの戦い

 今日は北海道医師会開催の救急医療研修会があり、大阪大学教授の嶋津先生の「化学災害・化学テロへの対応と準備:国内事例に学ぶ教訓」と題する講演がありました。
島津教授.jpeg

 奇しくもイスラム過激派による日本人拘束者の殺害報道が流れたタイミングでの講演会となりました。

 テロというと日本では何処か別の世界の話で、日本は大丈夫みたいな根拠のない安全神話に覆われています。今回の事件はその”安全神話”を根底から覆す衝撃的な事件となりました。

 日本政府の危機管理の対応の貧困さを垣間見ることになりましたが、やはり、グローバルな世界の中で、様々な情報を欧米と同等に収集し対応できなければ国を、国民を守ることはできません。

 日本でもオウム真理教の地下鉄サリン事件、松本サリン事件、大阪VX暗殺事件にみられるように一部の狂信的な人間がいればテロを起こすのは容易です。

 あれだけ世界を震撼させたテロ事件があったにもかかわらず、危機管理体制の構築が、一部グループの反対により、それを活かせきれなかったのは残念です。生半可な事では安全を得ることはできません。

 一般にテロの兵器(武器)としては爆弾が多く、日本では1974年三菱重工ビル爆破テロ事件、1976年北海道庁爆破テロ事件、1995年オウム真理教による都庁小包爆弾事件、2000年よさこい札幌大通り公園ゴミ箱爆破事件があります。

 平時の救急事案でも、化学テロに準じる事件は起きています。新潟アジ化ナトリウム事件、和歌山カレー毒物事件、熊本赤十字病院クロロピクリン嘔吐事例は参考になる事案です。

 テロは遠い国の話ではなく、現実の話として災害対策の一つとして対応しなければなりません。地下鉄サリン事件でも警察と消防との情報の共有ができなかったことも大きな問題です。東京オリンピックに向けて本格的な体制作りが求められています。

 これが医療におけるテロとの戦いです。
posted by 渓仁会救急科 at 23:02 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月21日

事例検討会

 19日に第57回道央ドクターヘリ事例検討会が行われました。
 消防から4事案とフライトナースから「連携」についてプレゼンがありました。

 四つのうち二つは山中での事案で、捜索・救助事案でした。一つはクマに襲われた事案、もう一つは鹿狩りに行き、連れの車に腹部を轢かれた重症外傷でした。

 熊事案は消防防災ヘリ、警察ヘリが絡み情報共有(連絡体制)に課題を残し、鹿狩り事案は場所の特定に時間がかかり、搬送中に心肺停止になった事案でした。今後も他機関が絡む事案が増えてきます。連携体制の確立は重要です。

 あとの二つは高速道路事故、労災事故で腕の切断事案で、いずれも、他の消防に参考になる事案です。

 現在、キーワード方式ですが、腕が巻き込まれているという情報だけで要請してほしかったんですが、躊躇したようで、キーワード方式の趣旨がまだ十分伝わっておらず残念に思いました。

 フライトナースからは「プレホスピタルでの他職種との連携」というタイトルで話をてもらいました(写真)
57回事例検討会.jpeg
Iフライトナースが講演

 フライトナースの役割は多岐にわたっており、プレホスピタルでは他職種との連携や家族との対応において重要な役割を担っています。ドクターヘリはフライトナース抜きでは成り立ちません。
 その中で情報共有の重要性についてわかりやすく事例を通して解説していました。
 ドクターヘリにかかわる様々な職種の人達と連携し、お互いの役割を尊重しながら共通目線で活動することが円滑なドクターヘリ活動につながる、すなわち傷病者の迅速な治療と救命につながることだと思います。
posted by 渓仁会救急科 at 01:55 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする